お問い合わせはこちら

虎ノ門政策研究会企業研究/ダイキン工業イベントレポート

「UVストリーマ空気清浄機」を発表 深紫外線LED搭載で空気づくりは新時代へ

「空気清浄ニーズの高まりは一過性のものではなく、今後は設計段階から検討される新しい市場になる」と話す舩田氏(取材時撮影)
「空気清浄ニーズの高まりは一過性のものではなく、今後は設計段階から検討される新しい市場になる」と話す舩田氏(取材時撮影)

虎ノ門政策研究会、通称「虎研」は昭和59年の設立から現在までアクティブに活動中。研究部会では主に国政にかかわるテーマを研究し議論を交わす。官民、産学、企業間など縦横の連携促進を使命の一つとしてきた虎研事務局では、公共性の高い事例に着目して企業研究を進めている。今回は、ダイキン工業株式会社の新製品および事業戦略発表会を取材してきた。(虎ノ門政策研究会事務局:重田瑞穂)

 2021年11月30日グランドプリンスホテル高輪にて、ダイキン工業は空気清浄機新商品発表会および事業戦略説明会を開催した。
 コロナ禍の影響で空気清浄機の導入拡大が急速に進んでおり、巣ごもり需要に加えてオフィスや店舗など業務用途においても顕著だ。同社はこの需要を取り込み20年度に過去最高の販売台数を記録。21年度も引き続き高需要の傾向で推移しているという。
 50年かけて空気清浄技術を培ってきた同社は、このほど業界ではじめて深紫外線(UVC)を照射するLEDを搭載した空気清浄機を開発。強力な酸化分解力をもつ独自技術「ストリーマ」とUVCLEDを組み合わせ、ウイルス等の有害物質を素早く不活性化する。一日も早く人々が集まっても安心できる空間作りに貢献しようと、開発から約5か月間で商品化を実現し、21年4月の発売から半年間で販売台数は3万を超える勢い。
 今回新たに発表した4機種では、コンシューマー製品として加湿機能を追加した床置き型のコンパクトモデルのほか、天井埋め込みカセット式や既存の空調機に取り付け可能な除菌ユニット、パワフルな大空間向けといった業務用の商品展開にも注力。商業施設やホテル、医療機関、福祉・教育現場など想定される範囲は広い。同社の強みである業務用分野で空気清浄力・除菌力を着実に示すことで、一般ユーザーへのシェア拡大へもつなげるねらいだ。
 登壇した同社の専務執行役員の舩田聡空調営業本部長は、激しく変化を続ける社会に応じた価値を提供するために今後も空調業界のリーディングカンパニーとしてコア技術を進化させていくと語り、会場とオンライン上に集まったメディアの注目を集めた。

(本記事は、月刊『時評』2022年1月号掲載の記事をベースにしております)