2023/04/07
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えた現在、主会場となる東京では、各種インフラ整備をはじめさまざまな対策が形になろうとしている。これらの施策は大会後も、東京都という都市の未来を形成する基盤となるものだ。21世紀の都市に求められる各種要件を、東京都はどのように充実させ、“世界と戦える都市”をつくろうとしているのか、佐藤都技監に現在の進展状況と今後の構想について話を聞いた。
三位一体から成る「スムーズビズ」
―――いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が目前に迫っています。開催期間中は国内外から東京に多くの観光客が訪れ、交通機関が大変混雑すると予想されています。それに対し東京都は現在、混雑緩和と企業活動の両立に向け、「スムーズビズ」を展開されているとのこと、その概要について教えてください。
佐藤 はい、2019年4月段階で東京都の人口は約1390万人、それに対しオリンピック・パラリンピック大会期間中は延べ1000万人以上のお客様をお迎えすることになると想定しています。当然、道路や鉄道など交通網が混雑し、日常生活や企業活動への影響が懸念されることから、東京都では現在、全局を挙げて「スムーズビズ」への参加、協力を呼び掛けているところです。職員は、名刺の裏にQRコードを付して「スムーズビズ」と書いています。
具体的には、自宅などで仕事を行い効率アップを図る「テレワーク」、混雑するピーク時間を避けて出退勤する「時差Biz」、そして大会期間中、計画的な移動で混雑を緩和する「2020TDM」の三位一体で推進しています。
―――そのうち、「2020TDM」についてご解説をお願いします。
佐藤 TDM(Transportation Demand
Management)、すなわち……(続きはログイン後)