2023/07/06
繊維・アパレル、服飾品、住宅・建材・住宅設備、家具・インテリア、生活・スポーツ用品、伝統的工芸品など、われわれの日常生活に密接に関連する製品について業種横断的な政策を推進している生活製品課。日常生活と深くかかわる分野だけに、2020 年に発生した新型コロナウイルス感染症が与えた影響は決して小さなものではない。現在も終息の兆しをみせない新型コロナウイルス感染症だが、そうした中で各産業の現状と課題、そして新しい生活様式の構築をはじめとした今後の展望について経済産業省生活製品課の永澤課長に話を聞いた。
Tweet――繊維、住宅・建材・住宅設備、伝統的工芸品など、日常生活に密接に関連する製品について業種横断的な政策を推進する生活製品課。改めて貴課の業務や取り組み、そして生活製品関連産業を取り巻く現状についてお聞かせください。
永澤 生活製品課には、生活に密接にかかわる製品の産業振興を通じて、国民の皆さまの生活を豊かにするという重要なミッションがあります。さらに今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえると、今後は新しい生活様式へと移行し、ますます生活製品課に求められるミッションの重要性は高まっていくと考えています。
私は2020年7月に生活製品課長に着任しましたが、着任からおよそ半年間、感染対策は万全を期した上で、20回ほど国内出張し、繊維産業や皮革関連産業など30以上の工場を訪問させていただきました。現場訪問を通じて、事業者の皆さまの声を直接耳にする機会を得ました。
総じて生活製品関連産業の国内市場は、少子化の影響もあり縮小傾向にあるといわれていますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて戦後最大の経済の落ち込みにある中で、繊維やアパレル、皮革関連、日用品といった生活製品関連産業を取り巻く状況は、かつてないほど厳しい状況にあります。
経済産業省では、コロナ禍を踏まえた新しい生活様式や変化する消費者のニーズにも、関係する事業者が対応できるような政策を打ち出していくことが重要だと考えています。
――新型コロナウイルス感染症の影響もあって、非常に厳しい状況にある生活製品関連産業ですが、海外展開に向けた施策や市場の動向としてはどういったものがあるのでしょうか。
永澤 生活製品関連産業をはじめ、日本のものづくりは、国内外から、その技術力や品質が高く評価されています。そうしたわが国製造産業の誇るべき優れた部分をしっかりと国内外にPRしていくことも重要な施策といえます。そうした中……(続きはログイン後)