時評社は、浜松市、(一財)国土計画協会と2月18日、浜松ウエルネスフォ―ラム2020~「予防・健幸都市浜松」実現に向けて~を開催する。フォ―ラムに向けて、講師を務める経済産業省商務・サービスグループ政策統括調整官兼厚生労働省医政局統括調整官兼内閣府健康・医療戦略室次長の江崎禎英氏と厚生労働省政策企画官笹子宗一郎氏の講演録をレポートにまとめた。
(このレポートは、2019年12月20日、「予防・健幸都市 浜松」座談会で行われた講演をもとに時評社が編集しています)
私はこれまで日本だけでなく、中国、インドネシア、台湾、アメリカ、ドイツなど世界各国でも講演やシンポジウムに参加してきました。テーマは全て「高齢化」です。ただ、国内外の方々と話をするたびに「世界中が間違えているのではないか」と感じています。どの国でも「高齢社会は暗い社会だ。高齢化が進むにつれて経済は沈滞し、医療費や介護費が増大する。この課題にどう立ち向かうか」ほとんどの講演会やシンポジウムがこうした課題設定の基にセッションが組まれています。
実はこうした課題設定こそが間違いなのです。まず「高齢化」の定義について確認しましょう。全人口に占める65歳以上の割合を高齢化率と呼ぶのですが、これが7%を超えると「高齢化社会(Aging
Society)」、14%を超えると「高齢社会(Aged Society)」、21%を超えると「超高齢社会(Super Aged
Society)」と国連が定義しています。7の倍数です。日本は世界で最も高齢化が進んだ国と言われていますが、日本の高齢化率は、2018年9月の時点で28・1ですので、既に「超高齢社会」をも超えて高齢化が進んでいるのです。
一般に、高齢化がどんどん進むのは高齢者が長生きになったからだと言われます。では、そもそも私たち人類はどこまで長生きするのでしょうか。実は……(続きはログイン後)