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【レポート】浜松ウエルネスフォーラム2020を開催 /浜松市

会場の様子。
会場の様子。

 浜松市と(一財)国土計画協会、㈱時評社は、2月18日浜松グランドホテルで新たな都市像として人生100年時代を見据えた「予防・健幸都市 浜松」実現に向けた浜松ウエルネスフォーラム2020を開催した。新型コロナウイルス感染の不安も広がる中、全参加者にはマスクが配布され、会場のいたる場所に消毒液が設置されるなど万全の体制で行われた。
 フォーラムは、二部構成で進行。鈴木康友市長が「産官学の知見を結集し、全国に『予防・健幸都市 浜松』の成果を発信していく」と抱負を述べた後、第一部は、経済産業省商務・サービスグループ政策統括調整官の江崎禎英氏と厚生労働省政策企画官の笹子宗一郎氏が基調講演。人生100年時代を見据えた予防健康医療のあり方やヘルスケア産業の展望、国が進めるデータヘルス改革などが分かりやすく解説された。

 第二部は、浜松ウエルネスネスプロジェクトの紹介として、スタンフォード大学循環器科主任研究員の池野文昭氏が「予防・健幸都市 浜松」を展望した。続いて、浜松市健康福祉部新村隆弘医療担当部長が同市で進められる官民連携体制について説明。市民や民間企業への参加を呼び掛けるとともに、同プロジェクトの運営方法が明らかにされた。同プロジェクトは、市民・地域への還元を目的にした地域推進組織「浜松ウエルネス推進協議会」と予防・健康づくりに関する官民連携社会実証事業を目的とする「浜松ウエルネス・ラボ」のWプラットフォームによって運営されるのが大きな特長と言える。
 さらに、官民連携社会実証事業として、キリンホールディングス株式会社、SOMPOひまわり生命保険株式会社、第一生命株式会社、日本生命保険相互会社などから先端技術やノウハウを生かしたプランが提案された。具体的には、キリンは、独自に開発された栄養成分「ラクトフエリン」を活用して、同市の聖隷福祉事業団と共同で認知機能改善の可能性を検証する。SOMPOひまわり生命は、糖尿病予備軍の住民に対し、スマートフォン(スマホ)アプリを活用した食習慣を中心とした生活習慣の改善と血糖コントロールを良好に保てる方法論の確立をサポートしていく。第一生命は、IOT歯ブラシで歯周病リスクを顕在化し、全身の疾病予防につなげる。日本生命はスマホアプリを活用した企業対抗のウオーキング大会などを行うとしている。
 会場には、市民をはじめ、自治体関係者、議員、企業関係者、団体職員など定員の200名をはるかに超える聴講者が訪れ、盛会のうちに幕を閉じた。浜松ウエルネスフォーラム2020の詳細は、時評5月号に掲載する予定だ。

フォーラムは、新型コロナウイルス感染予防のために万全の体制で行われた
フォーラムは、新型コロナウイルス感染予防のために万全の体制で行われた