お問い合わせはこちら

【レポート】「弁理士絆プロジェクト」が好調/日本弁理士会

記者会見する清水善廣会長
記者会見する清水善廣会長

 日本弁理士会の清水善廣会長は、新春記者会見で今年度の重点項目として掲げる「弁理士絆プロジェクト」の進捗状況を報告し、「金融機関をはじめ、弁護士・中小企業診断士といった他士業、大学・研究機関、アカデミアなどさまざまな連携、絆が強化されている」と確かな手応えを強調した。

 金融機関との絆については、全国506の金融機関にアンケートを送付し、186機関から「関心がある」との回答を得たほか、昨年12月末までに9回のセミナーを開催するなど「確実に強化されている」(清水会長)と自信を深めている。中小企業において着目すべき経営資源は、知財であることを金融機関に理解してもらい、経営資源としての知財の重要性を、金融機関を通じて中小企業の知財取得意欲の増進を図る。時評1月号でも、信金中央金庫、香川県との座談会で連携に向けて盛り上がりを見せた。(時評1月号新春大型座談会「『せとうち田園都市構想』を通じて、わが国地域経済を展望する」参照)

 また、他士業との絆においても、第二東京弁護士会や東京都中小企業診断士協会との交流会を実施。他士業からの紹介による知財業務の提供の機会などを通じて知財業務の品質向上に役立てていくとしている。

 「弁理士絆プロジェクト」は、弁理士の活動基盤を強化するために①金融機関②他士業③企業④アカデミア⑤弁理士同士-など外部との絆を重点的に深めていく目的で企画された。

 併せて記者会見では、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会総務局法務部に所属する林美和弁理士によるセミナー、「東京2020オリンピック・パラリンピック組織委員会における弁理士の役割」も開催。オリンピック・パラリンピックのメダル意匠権や会場装飾のベースになる大会ルック(コアグラフィックス)など、知的所有権についての詳細な解説があり、組織委員会での弁理士の重要性も説明された。(月刊『時評』2020年2月号より)